前回第101話は、ナシロとクロナが鈴屋什造の腹を引き裂いた所で終っていました。2人の過去が明らかになる東京喰種11巻第102話「白黒」を、ネタバレ注意でご紹介していきます。
安久クロナと安久ナシロ

第102話は、剣道の試合をする2人の人物から始まります。戦っている2人を見た周囲の人たちは、決勝戦はまた双子勝負、ジュニアじゃ敵なしだと話しています。面をとった2人、1人は安久クロナ、もう1人は安久シロナといい、両名15歳のCCGアカデミー候補生です。
CCGは通常業務以外にも、喰種被害で両親を失った孤児を引き取り、教育と生活の補助を行う業務を担っています。孤児の多くは放課後の課外活動として武道やトレーニングで心身を鍛え、18歳になると半数以上がアカデミーに就学し、捜査官を目指します。
このクロナとナシロも例外なく同じ将来を描いていました。
異彩を放つ鈴屋玲
課外活動の帰り、ナシロとクロナはある人物を見つけ、声をかけます。その人物は同じくアカデミー候補生の鈴屋玲16歳、彼はしゃがみこんで蟻を潰していました。
ナシロとクロナが言うには、玲は授業にも課外にも出ずぶらぶらするかぼーっとしている変わったやつで、CCG孤児の中でも異彩を放っていたそうです。ただ鈴屋は屈託なく笑う人物ではありました。
場面は変わり、ナシロとクロナに講演会に出るかと聞く女性がいました。彼女も候補生のようで、2人は雫と呼んでいました。ある日2人が歩いていると、頭を抱える内野という教官がいました。2人が近づくと、そこには野良猫の死体がありました。
犯行は夜中のうちに行われたそうで、犯人は候補生か職員の誰かだと思われます。内野教官は鈴屋を疑っているようで、夜中に姿を見ていないか聞かれます。
鈴屋は背景が特殊だという内野教官、どうやら鈴屋は幼い頃に喰種に誘拐され、喰種に育てられたという噂があるそうです。それを聞いた2人は、なんであんな事を話すのか、おしゃべりは嫌いと内野教官を軽蔑します。そして玲は悪い奴じゃないと思うと信じるのでした。
2人は、先ほど雫に誘われた講演会に来ていました。講演に来ていたのは一等だった頃の亜門、内容は「レッドジャム」という喰種を駆逐した時の話だったようです。講演後、2人は亜門に話しかけ、女性でも立派な捜査官になれるかと聞いていました。
亜門は、本局の安浦女史や28歳で准特等になった真戸の妻など、優秀な女性捜査官は多いと答えます。女性で准特等になった真戸に憧れ、今は特等になっているのでは?と尋ねる2人でしたが、隻眼の喰種により殉職したと亜門から聞かされます。
講演会から少し経った頃、候補生で年も近かった川上雫が病気で命を落とします。雫の死を悲しむ2人は、「あの子パパとママに会えるのかな?会えるよきっと」と話しながら外を歩いていました。
玲はからっぽだった
外を歩いていた2人は、鈴屋に遭遇します。悲しくないのと鈴屋に聞く2人でしたが、鈴屋は「死んだだけでしょ、ご飯食べたり遊んだりするのと何が違うの?」と笑いながら答えました。
冗談なら笑えないと怒る2人、鈴屋も「冗談ってなんだ?ヒトなんていつもどこかでたくさん死んでる、そのうちの一人だろ」と苛立ちを見せます。「同じ施設の仲間じゃ」と鈴屋にくってかかろうとした2人でしたが、衝撃の光景に言葉を失ってしまいます。
顔に血がついた鈴屋、施設内の生き物殺しは全て鈴屋の仕業でした。
「玲は0だった、からっぽだった」
場面は戻り、腹を裂かれたジューゾーは「内臓こぼれちゃう」とうずくまっていました。そんなジューゾーを見て、「アンタには正義の味方もどきすらふさわしくない」と言う2人、「悪く思うな」ととどめを刺しにいきます。
「こちらこそ悪く思わないでくださいねえ」ジューゾーはそう言い、クロナの左眼に、ナイフ形のクインケを突き立てていました。
まとめ
クロナ、ナシロ、ジューゾーはCCGアカデミー候補生時代に一緒だったようですね。クロナをナシロの若い頃の姿やCCGに引き取られたことから、おそらく2人は嘉納がいた屋敷に住んでいた幸せそうな家族の生き残りと見て間違いないでしょう。
ジューゾーも無事みたいですし、戦いが再開しそうですね。